遺産に土地があり、それを売却したいが、どのような相続手続きを経るのか?
- 2024.02.16
結論からいうと,遺言書がないかぎり,相続人全員で遺産分割協議をすることが必要です。
相続がおこると,遺産がどうなるかですが,相続がおこったときに,遺言書があるかないかでその後の扱いが異なります。
遺言書がある場合にはその遺言書のとおりに遺産を相続することになります。
もし,遺言書があるために,自分の最低限の相続分ももらえないことになっているのであれば,その最低限の相続分を請求することができます。これを遺留分と言います。
被相続人に遺言書がない場合には,遺産はいったん相続人の共有となります。いったん共有状態になった後に,相続人で遺産分割の協議を行い,その遺産をどのように分割するかを決めます。
遺言書があり,その遺言書で土地を誰に取得させるか決めてあれば,そのとおりに指定された者が土地を取得します。したがって,遺言書に基づき,土地の登記名義を変更する手続を行います。そうしてから,土地を売却することになります。
遺言書がない場合には,いったん相続人全員の共有状態となります。
このような場合の遺産分割の具体的方法として,現物分割,代償金分割,換価分割,共有があります。
現物分割や代償金分割で,相続人の1人がその土地を単独取得したのであれば,取得した相続人は単独所有者となるので,土地を売却することが可能です。
換価分割とは,相続したものを売却してお金に換えて,そのお金を分割使用とするものです。その場合に,その土地を売却するには,共有であるため相続人全員の同意が必要となります。相続人全員で話し合いをして,売却することになった場合には,登記名義の変更が必要となります。被相続人名義から相続人全員の登記名義に変更します。
たとえば,父が死亡し,相続人が子どもABCの3人であった場合に,その土地を相続を原因として子どもABC3人の共有名義に変更します。その後に,この土地の売却をするのが一般的です。土地はABC3人の共有ですから,売却するためには共有者ABCがそれぞれ持っているそれぞれの共有持分を買主に譲渡することが必要です。
以前は相続がおこっても,相続登記をしないで放置してしまう人がいましたがが,法律が改正され,相続登記の義務化が定められていました。相続人は、不動産(土地・建物)を相続で取得したことを知った日から3年以内に、相続登記をすることが法律上の義務になります。 正当な理由がないのに相続登記をしない場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。注意してください。