不動産相続をお考えの方へ。流れや要点を弁護士が解説!
目次
不動産の相続のトラブル
遺産相続において、不動産があると、分割する際に、もめやすいといえます。どのようなケースがあるのかをみておきましょう。以下に、よくあるトラブル例をあげてみます。
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遺産分割の方法を巡る争いの例
両親が遺言を残さずに亡くなりました。遺産としては、地方にある実家と都市部に購入した賃貸マンションがあります。長男(地方在住)は実家をそのまま引き継ぎたいが、妹(都市に在住)は実家も賃貸マンションも含めて評価して、均等に分けることを主張。双方が感情的になり、協議が進まない。
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不動産の評価額を巡る争いの例
親から相続した土地の評価について兄弟で意見が分かれる事例。親が持っていた土地の一部は市街化区域にあり高く評価されるが、他の土地は街の外れにあり、農地で固定資産税評価額は低いが、農地の周囲は開発されており、実際に売却するとなると、高く評価される場合。長男は「実勢価格」を基準にすべきと主張し、次男は「固定資産税評価額」を基準とするべきだと主張。双方の評価額の差が大きく、分割協議が難航。
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共有名義によるトラブルの例
父親から相続した土地を、いったん兄弟3人で共有名義としたが、その後にその土地の利用、管理費や固定資産税の支払いを巡って争いが発生。長男は土地を利用しているが、次男と三男は使用をしていない。そのため、共有物分割をすべきかどうかもめている。
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生前贈与を巡る争いの例
長男が生前に親から自宅土地建物を贈与されていたが、親の死後、他の兄弟が「生前贈与された自宅土地建物も遺産分割において考慮して公平に分けるべきだ」と主張し、特別受益を巡ってトラブルに。次男と三女は、加えて、「自宅の価値は、親から贈与された時点よりも現時点でさらに上昇している」として、現時点の市場価格をもとに計算するべきだと主張。
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使用・居住権を巡る争いの例
母親と同居しながら母親の面倒をみていた次女が、母の死後もそのまま住み続けたいと主張。しかし、兄弟たちは、自宅を売却し、売却代金を分けるべきだと考え、退去を求めてきた。次女は「自分は母の介護を担当していたから遺産分割においてもその分を考慮して、優遇されるべきだ」と主張するが、他の兄弟は納得しない。
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管理・維持費を巡る争いの例
両親から相続した賃貸アパートを兄弟で共有していたが、予想以上に維持費や修繕費の負担があり、誰がそれを負担するかを巡ってトラブルが発生。相続当初、収益があると考えていたアパートの収益が当初想定よりも低く、毎年赤字が出る状況になり、誰が追加費用を負担するかで争いになった。
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相続登記の放置によるトラブルの例
親が亡くなった後に、遺産分割協議をせずに、長年放置していたため、相続人の一部が亡くなり、その子どもたちが相続人として関与することになった。相続登記の義務化が始まったので、早期に分割して不動産の登記をしたいが、権利関係が複雑化し、不動産を売却するために多くの相続人の同意を得る必要があり、手続きが進まない。
不動産の種類
不動産の場合は、現金や預貯金とは異なり、それぞれに個性があることから、分割する際にも、その個性を考慮しないといけません。
遺産分割の場面では、不動産の種類によって評価方法、分割の難易度、管理の負担が異なるため、それぞれの特徴に応じた取り扱いが求められます。
以下では、遺産分割において代表的な不動産の分類と、それぞれの特徴や注意点について解説します。
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自宅(居住用不動産)
被相続人が生前に住んでいた家やマンションです。相続人の中で、被相続人と同居していた相続人がいる場合、その人が相続を希望することが多いです。
- 感情的価値が高く、思い出が詰まった家を巡ってトラブルになりやすいといえます。
- 取得する相続人が決まっても、他の相続人に対して代償金(現金の補填)が必要になる場合があります。
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収益物件(賃貸マンション、アパートなど)
賃料収入が得られる収益性のある不動産で、マンション、アパート、商業ビルなどが該当します。
- 評価方法が複雑で、収益性を考慮した「収益還元法」で計算されることが多いです。
- 将来の収益分配を巡り、相続人間で不公平感が生まれやすいです。
- 複数の相続人で共有名義にすると、賃料の分配や管理業務の負担を巡って争いが発生しやすくなります。
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空き家・別荘(非収益物件)
被相続人が所有していたが、利用されていない不動産や別荘などが該当します。収益を生まないため、維持管理費や固定資産税が負担になります。
- 売却するかどうかを巡って相続人間で意見が分かれやすいです。
- 放置すると、老朽化や行政からの指導(空き家問題)につながるリスクがあります。
- 相続人全員が納得し、早めの売却を決断することが重要です。
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事業用不動産(工場・店舗・オフィスなど)
被相続人が事業に使用していた不動産が該当します(工場、店舗、オフィスなど)。相続人の中で事業を継続するかどうかが重要なポイントとなります。
- 事業を継続する相続人が不動産を取得する場合、他の相続人に代償金を支払う必要があるケースが多いです。
- 事業が絡むため、単なる財産分割ではなく事業承継の計画も含めて慎重な検討が求められます。
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農地・山林
被相続人が所有していた農地や山林も遺産分割の対象になります。農地には農地法の規制があり、勝手に分割や売却ができない場合があります。
- 農地を取得する場合、農地を維持できる相続人に優先的に相続させる必要があります。
- 不要な農地は農地転用や売却を検討しますが、手続きが複雑で時間がかかることがあります。
- 買い手が限られるため、現実には売却することが難しいことがあります。
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未登記不動産・権利関係が複雑な不動産
登記されていない不動産や、共有名義など権利関係が複雑な不動産です。
- 未登記の不動産は相続登記が必要になるため、そのための調査や手続きが煩雑です。
- 共有不動産の場合、持分をどう処理するかを巡り、相続人間で争いが生じやすくなります。
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不動産の種類別の相続ポイント
遺産分割における不動産の分類には、自宅、収益物件、空き家・別荘、事業用不動産、農地・山林、未登記不動産などがあります。各不動産にはそれぞれ異なる特徴があり、評価方法や分割の難しさも異なります。
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自宅
- 感情的な対立を防ぐための配慮が必要です。
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収益物件
- 将来の収益をどう扱うかが重要な争点になります。
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空き家や農地
- 維持管理の負担を考慮し、早めの売却や転用を検討することが求められます。
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事業用不動産
- 事業承継も含めた計画が不可欠です。
弁護士や不動産の専門家のサポートを受け、各不動産の特性に応じた適切な遺産分割を行うことが、円満な相続の鍵となります。
不動産の評価方法
賃料収入が得られる収益性のある、マンション、アパート、商業ビルなどと、利用されていない不動産や別荘などの非収益物件では、不動産の評価も異なってきます。
不動産の評価が異なる場合の影響とは?
不動産を取得する相続人と他の相続人の取り分が変わってきます。特定の相続人が高額な不動産を取得すると、他の相続人にはそれに見合った現金や預貯金を分配しなければ不公平になります。不動産を特定の相続人が取得した場合、その分を他の相続人に現金で補償(代償金)することがあります。評価額が高くなるほど、代償金も多く必要になります。
このように、不動産の評価方法は、遺産分割を左右する重要な要素です。
不動産の評価にはいくつかの方法があり、どれを選ぶかによって、評価額が異なってきます。
以下では、各評価方法とその選び方について詳しく解説します。
不動産の評価のしかた
固定資産税評価額
固定資産税評価額は、市町村で簡易に入手でき、遺産分割でもよく使用されます。固定資産税は、市場価格の約70%程度とされ、実勢価格より低いことが一般的です。
ただし、市場価格と異なるため、その場合に他の評価が用いられることがあります。
固定資産税評価額を確認するためには、まず課税通知書を確認するのが最も簡単な方法です。それが手元にない場合、市区町村役場での証明書の取得が必要になります。
相続税評価:路線価と倍率表
相続税や贈与税の算出基準として使用されるため、遺産分割でも使用されることがあります。相続税評価も市場価格と異なるため、場合によっては実勢価格(市場価格)の評価が用いられることがあります。
路線価方式
国税庁が毎年公表する「路線価」を基準にした評価方法です。
国税庁の「路線価図・評価額表」ページにアクセスします。https://www.rosenka.nta.go.jp/main_r04/index.htm
路線価は、道路に面する土地1㎡あたりの価格を示しています。
路線価を土地の面積に掛けて土地の評価額を算出します。
例:1㎡あたりの路線価が20万円の道路に面する土地(150㎡)→ 20万円 × 150㎡ = 3,000万円となります。
路線価は、市場価格の80%程度とされ、実勢価格より低めの評価になることがあります。
倍率表方式(路線価がない地域の場合)
路線価が設定されていない地域では、固定資産税評価額に「倍率」を掛けて評価します。
倍率表は国税庁が公表しており、地域や土地の種類ごとに異なる倍率が設定されています。
茨城県の場合はこちら。https://www.rosenka.nta.go.jp/main_r04/kanto/ibaraki/ratios/city_frm.htm
固定資産税評価額と倍率表方式で大きく差が出るのは、田畑です。
詳しくは、国税庁の倍率表を見ていただきたいのですが、たとえば、倍率が20倍くらいのこともあります。そうなると、固定資産税評価が10万円の畑は倍率20倍で200万円と評価されます。
実勢価格(市場価格)
実勢価格(市場価格)は、市場の取引価格に基づく評価です。
実勢価格(市場価格)は、不動産仲介会社に不動産の査定書を依頼することで作成されます。査定や書類作成にかかる手数料は無料で作成してもらえることが多いと思います。
査定書には、不動産の評価額が記載されており、これは主に取引事例比較法によって算出されます。不動産の査定価格を算出する際は、不動産会社の担当者が物件の築年数や駅からの距離、環境などから金額を算定します。
不動産鑑定評価基準などの共通ルールがないため、査定価格の算出方法や根拠は不動産会社によって異なります。そのため、実勢価格(市場価格)は、やや曖昧といえます。というのは、不動産は、通常の商品などと比べると、流通機構の形成が不完全といえます。そのため、売買当事者の個別的具体的な事情、例えば売り急ぎや買い進み、あるいは、特別の利害関係や縁故関係などがその取引価格に影響を与えることが多いといえます。
そこで成立した価格は必ずしもその不動産の適正な価格を反映するものとはいえません。それが取引事例として査定価格に反映されるため、実勢価格は、幅があって、かつ、曖昧であることが多いと言われています。
これに対して、不動産鑑定評価額は、不動産の効用(収益性・利便性・快適性)、不動産の相対的希少性、不動産似対する有効需要(いくらで取引されているかの市場性)の三面性に基づいて分析して求められます。
不動産鑑定の場合には、不動産鑑定士が地域分析や個別分析などを行い、その不動産に最も適用した鑑定評価で鑑定した内容に対して専門家としての判断を加味し、不動産鑑定評価額を決定します。不動産鑑定評価を行う際には、「原価法」「取引事例比較法」「収益還元法」の3手法を使って求めることになります。それぞれの手法は計算方法が大きく異なり、どの手法を選択するかは対象不動産の要因によって決まります。
実勢価格(市場価格)は、市場の需要と供給を反映した、最も現実的な評価が可能ですが、前記のとおり、幅があって、かつ、曖昧であることが多いため、客観的な価格を求めたい場合には、不動産鑑定をすることになります。ちなみに、不動産鑑定士に鑑定を依頼した場合には費用(30万円程度)がかかります。
収益還元法(収益物件の場合)
賃貸マンションやアパートなどの収益物件に適した評価方法です。
収益還元法は、対象不動産が将来生み出すであろうと予測される純収益の現在価値の総和を求めることによって、対象不動産の試算価格(収益価格)を求める手法です。
収益還元法は、賃貸用不動産、賃貸以外の事業に要する不動産の価格を求める場合に特に有効で、取引事例比較法や原価法と比べ、合理性が高い方法と言えます。
ただし、過去の賃料収入や経費支払いなどの資料とその信頼性が前提となります。
ちなみに、不動産鑑定士に鑑定を依頼した場合には費用(30万円程度)がかかります。
弁護士のサポートによる最適な評価の選定
不動産の評価をいくらとするかは、遺産分割の結果に大きく影響します。
不動産の種類によっては、相続税評価(路線価・倍率表)と実勢価格、収益還元法が大きく異なることがあります。では、それらをすべて不動産鑑定評価すれば良いかというとそのための費用を考えなければなりません。費用対効果を考える必要があります。
たとえば、鑑定費用30万円をかけて、相続分が100万円増えればよいのですが、30万円しか増えないことがあるかもしれません。場合によっては、鑑定するだけ損をしてしまうこともあります。そのため、どのような場合であれば、鑑定をしてもらうのかは十分な検討を必要とします。
相続の案件をたくさん取り扱っている弁護士であれば、不動産鑑定士と連携していることから、鑑定を依頼する前に、鑑定を依頼した場合に鑑定費用としていくらかかるのか、そして、鑑定を実施した場合に、どのくらいの評価となるのかをあらかじめ教えてもらうことができます。
収益物件などが含まれている場合には、あらかじめ相続の案件をたくさん取り扱っている弁護士への相談をお勧めします。
不動産を相続する際の遺産分割の流れ
ここでは、不動産を含む遺産がある場合に、相続が起こったらその後の遺産分割がどのように進むのかを掴んでしておきましょう。
遺言書の有無を確認
遺言があれば原則として遺言に記載されたとおりに相続が行われます。
しかし、遺言がない場合には、相続人間で話し合い、分割について合意することが必要です。
そのような話し合いの中で、特に不動産をどのように評価するのか、不動産をどのように分割するのかは揉めやすいポイントです。
以下では、評価方法や分割手段について触れながら、一般的な遺産分割の流れを整理します。
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遺産分割の準備と相続人間の協議
相続人と遺産の調査
相続人の特定:戸籍謄本を取得し、法定相続人を確定します。
遺産目録(相続財産のリスト)の作成:名寄せ帳、不動産登記簿謄本や固定資産評価証明書を取得します。
不動産の評価
不動産の種類によっては、相続税評価(路線価・倍率表)と実勢価格、収益還元法が大きく異なることがあります。
どの評価方法によって評価するのかを検討します。
とくに、アパートや貸家などの収益物件がある場合には、その評価をどうするかを検討します。
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収益物件の評価方法
特に賃料収入が今後も安定して見込める場合、物件の資産価値も高く評価される傾向があります。そのような不動産の場合は、収益還元法により、将来の賃貸収入を基に不動産の価値を評価します。なお、アパートや貸家などであっても、管理費、修繕費がかかる場合もあり、必ずしも、安定して収益が見込めるとは言えない物件もあります。
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収益を生まない物件の評価方法
固定資産税評価額や相続税評価額を基準にします。これらの基準は一般的に市場価格よりも低くなりがちです。ただし、物件の状態や地域の需要次第で、市場価格より高くなる場合も安くなる場合もあります。アパートや貸家などであっても、中には建築から相当年数が経過し、老朽化しているため、取り壊しの必要がある場合もあります。そのような場合は、取り壊し費用を考慮して評価をすることがあります。
なお、評価額に相続人間で納得できない場合には、不動産鑑定評価をするか、それでも納得が得られない場合には、調停や審判に持ち込まれることも少なくありません。
遺産分割方法:不動産の性質に応じた分け方
遺産に不動産が含まれる場合は、具体的にどのように分けるべきでしょうか。
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現物分割(不動産をそのまま分ける)
1つの不動産を相続人の間で物理的に分ける方法です。土地や建物はそれぞれ個性があるため、ケーキを分けるようには簡単には分けられません。無理に分割すると価値が大幅に下がるリスクがあります。
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代償分割(代償金の支払い)
特定の相続人が不動産を取得し、その代わりに他の相続人に代償金(相当額の現金)を支払う方法です。これによって金銭的に公平な分割が可能となります。
この方法は公平ですが、代償金の額について争いになることが多く、取得者が十分な現金を持っていない場合、解決が難航します。
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換価分割(売却して現金を分ける)
不動産を売却し、その売却代金を相続人間で分配します。購入希望者が現れそうであれば売却してその代金を分けることも可能です。しかし、地方の山間部や田畑など購入希望者がいない土地もあります。
調停と審判:家庭裁判所での解決方法
遺産分割は、相続人が全員話し合い、そこで合意ができればよいのですが、合意できない場合には調停を利用することになります。
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調停手続
家庭裁判所に、遺産分割調停を申し立て、裁判官と調停委員が相続人間の合意形成を支援します。 調停では、不動産の評価や分割方法について、専門家の意見を取り入れながら協議が進められます。調停の成立には、全員の合意が必要であり、一部の相続人が反対する場合、調停不成立となります。
審判手続
調停が不成立の場合は審判手続に移行し、裁判所が法的に分割を決定します。
審判では、各相続人の希望を考慮しつつ、適切な分割方法を判断します。特に不動産の評価が争点になった場合、鑑定人による評価結果が重要な判断材料となります。
不動産の相続で争わないための3つのポイント
不動産を含む遺産の相続では、誰がどの不動産を取得するかや、不動産の価値をどう評価するかが原因で、相続人同士がもめやすくなります。
特に、アパートや貸家などの収益物件は、収入が絡むため、争いが起こりがちです。相続をスムーズに進めるためには、以下の対策が役立ちます。
生前に遺言書を用意する
遺言書がない場合、相続人全員で話し合って分け方を決める必要がありますが、これが原因で意見がまとまらずトラブルになることが多いです。遺言書で「誰がどの不動産を相続するか」をあらかじめ指定しておくと、相続人全員で話し合う必要がなくなるため、争いを防げます。ただし、遺言書で特定の相続人に不動産を相続させる場合には、不動産の価格によっては他の相続人の遺留分を侵害する可能性もあります。不動産の評価を出して、遺留分侵害とならないかの検討も必要となります。
不動産の価値をはっきりさせる
不動産の価値は、固定資産税評価額、路線価、実勢価格など、複数の基準があり、どの評価を使うかで金額が変わるため、相続人同士で不公平感が生まれがちです。生前に相続対策をするためにも、不動産の評価は必要です。また、すでに相続が発生している場合にも、適正な分割をするためには、不動産の評価は必要です。必要に応じて不動産鑑定士による鑑定を利用することで、相続人全員が納得しやすくなり、トラブルを避けることができます。
弁護士に相談する
遺産分割における不動産には、自宅、収益物件、空き家・別荘、事業用不動産、農地・山林、未登記不動産などがあります。それぞれ異なる特徴があり、評価方法や分割の難しさも異なります。
不動産の特性に応じた適切な遺産分割を行うことが、円満な相続のためのポイントとなります。また、法律の知識がないと、生前の対策もできませんし、また、相続発生後に、不動産の評価や分割をめぐって相続人間でトラブルが起きることになります。
そのようなことにならないように、相続に詳しい弁護士に相談しておきましょう。
不動産相続で弁護士に依頼するメリット
不動産を相続する場合、財産の評価、遺留分の調整、遺産分割の進め方などで、相続人間のトラブルが発生しやすいといえます。それらのトラブルが起こるのは、相続についての法的な知識が不十分なまま相続を進めてしまうことや家族で相続についての話し合いをしないため自分は蔑ろにされてしまったという不満を持たれてしまうからだといえます。
これらについて、弁護士がサポートすることにより、争いを未然に防ぐことが可能です。
「生前対策に弁護士に相談するのは大袈裟ではないか」「弁護士を入れることで、かえってトラブルになるのでは?」という不安を抱く方も少なくありません。
しかし、弁護士は、数々の相続の紛争事例を見てきていますから、その知見をふまえて生前対策をするについても、紛争にならないようにサポートができます。過去の例でも、豊富な知識でご家族の方から不安に思っている点を遠慮なく質問していただきました。相続が発生したらどうなるか、対策をするとどうなるかを明確に説明し、これからの筋道がはっきり見えたと安心していただけました。
弁護士は生前対策においてどのようなことができるのか説明します。
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弁護士は中立な立場で冷静な話し合いをサポート
相続争いが起こっているケースではなく、これから相続のことを考えようとする話し合いの場では、お金や不動産に関わるため、ちょっとしたことで、疑心暗鬼となり、家族同士で感情的な対立が起きやすくなります。そこに、弁護士が進行役として入ることで、話し合いが疑心暗鬼とならず、冷静で客観的な話し合いを進めることができます。たとえば、「親の面倒を誰がみたか」といったデリケートなテーマも、面倒を見た者が発言すると他の家族から反感を買いますが、第三者の弁護士が間に入ることで整理しやすくなります。
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弁護士のサポートがトラブルの防止につながる
弁護士を早めに入れることで、相続後に起こりうる争いを予防することができます。弁護士は、どこで揉めそうなのかのポイントがわかります。それをふまえて、事前に家族全員で話し合い、遺言書の作成や合意書の文書化をサポートします。そのため、後から「聞いていなかった」「納得できない」といったトラブルを防ぐことができます。また、法律に基づいたアドバイスを受けることで、各相続人が公平感を持てる遺産分割を進めることができます。
- 大袈裟ではなく、むしろ安心感をもたらす
弁護士の話し合いのサポートが入ることで、相続人にとっては法律的に公平に扱われている、私の立場も尊重されているという安心感を提供できます。たとえば、実家の不動産の価値が大きい場合には、「長男が実家を相続するが、他の兄弟に代償金をどう支払うか」など、具体的な分配案を整理することで全員が納得しやすくなります。
また、弁護士は税理士や司法書士と連携し、不動産の登記や相続税申告など、専門的な手続きもワンストップで対応できるため、当事者の負担を軽減します。
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弁護士を入れることは相続をスムーズに進める手段
弁護士は「トラブルを解決するための専門家」だけでなく、相続を円滑に進めるパートナーでもあります。「弁護士を入れるのは揉めてから」という印象があるかもしれませんが、早い段階で弁護士のサポートを受けることで、将来の揉め事を防ぐことができます。
不動産相続に関するお悩みは当事務所にご相談ください
「弁護士を入れると大袈裟では?」という疑問は自然なものですが、実際には弁護士のサポートによって相続手続きを円滑に進め、不満や誤解を防ぐことができます。特に感情的な対立を避けたい場合や、相続が複雑な場合には、弁護士が中立の立場から話し合いを整理し、法的に正確な解決をサポートします。弁護士を早めに活用することで、家族の絆を保ちながら安心して相続を進めることができるのです。
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