亡き兄弟の妻子との遺産分割
- 2024.05.13
相談者の属性
60代 那珂市 女性
争点
遺産分割、祭祀承継
相談に至った経緯
HPからのご相談。
もともとは、被相続人は亡き父、相続人は相談者と兄弟の合計3人であった。ところが、亡き父の相続手続を長期間しないでいたところ、相続人の1人である弟が死亡してしまった。その妻と子が相続人の地位を引き継いで遺産分割の話し合いをしていた。ところが、妻と子は弁護士を依頼し、その弁護士から通知が届いた。電話で話したが、とても素人ではかなわないと思ったので、相談にきた。
弁護士が対応したこと
相手方に弁護士がついていたので、ご相談者も弁護士に依頼したいとの希望であったのでご依頼を受けた。ご相談者の実家を取得したいとの希望を伝えたが、これに対して、相手方も実家を取得したいとのことであり、遺産分割協議が平行線となった。
そこで、遺産分割調停を申し立てた。
遺産分割調停では、どちらが実家を取得するのか、祭祀承継をどうするのか意見が対立した。当初は、どちらも実家を取得したいとの希望であったので、実家の土地を分筆し、双方が分筆した土地を取得する方向で検討を加えた。
しかし、時間が経過し、冷静になって考えると、その場合は遺産相続でもめた者が隣に住むことになる。それは、あまり好ましいことではないと考えたことから、一方が現物を取得し、他方が預貯金を取得する方向へと変わった。当事者の意見を調整するために、何度も調停期日を重ねた結果、調停申立から約1年半の時間をかけて調停が成立した。
結果
双方の利害調整に約1年半という時間を費やしたが、結果としては、双方当事者が100%納得する内容ではなかったもののどうにか納得できる分割案となった。
弁護士所感
当初、感情的な対立が激しく、一歩も譲らないという姿勢であったが、時間が経過することで、冷静となり、一時の相手に負けたくないという気持ちから、仮にその財産を取得した場合にこれから先に何が起こるのか、取得した場合にどのような負担が生じるかを考えることができるようになり、解決に至った。
気持ちの面も大切だが、メリットデメリットを冷静に考えることも重要である。