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実家が農業を営んでいるが農業を継ぐ気はない、相続がおこったら,どうしたらよいのか

実家に住んでいるならともかく,実家と離れて住んでいる人が、実家の農地を相続して農地として耕していくことは難しいでしょう。

農地を相続するかどうかは慎重に判断しなければなりません。というのも,いったん相続してしまうと簡単に手放せないからです

農地を引き継ぎたくない場合の選択肢をあげてみましょう。

いったん相続して農地のまま売却

  • 自分で農地を活用しないのであれば,売却できるか検討してみましょう。

    何もしないまま農地を持っているとそこに雑草が生えて隣の農地所有者からクレームがつき農地の管理をしなければならなくなりますし,固定資産税がかかることになります。

    農地のまま売却するやり方ですが,農地は,普通の宅地と異なり,原則として、農家にしか売れません。そのため、買い手を見つけるのは容易ではありません。また,農地の売買には,農業委員会による許可が必要です。一般的に,農地は宅地に比べると売買が難しいといえます。

農地以外の用途に転用

農地の転用とは「土地の種目を農地から宅地へ」変更することです。
農地から住宅地にしての売買したり,農業以外の活用です。
市街化区域の農地であれば宅地に転用しやすいので、宅地にしてからさまざまな方法で活用したり売却したりするとよいでしょう。宅地になればアパートを建てて賃貸もできますし、宅地であれば買い手が見つかりやすく売りやすいといえます。転用には農業委員会による許可が必要です。

相続土地国庫帰属制度を利用

いったん相続したがその土地がいらない場合には,土地を国に引き取ってもらえる制度があります。
それは相続土地国庫帰属制度です!
ただし,相続土地国庫帰属制度を利用する際には、すべての土地が相続土地国庫帰属制度を利用できるわけではないこと,また,10年分の土地管理費用相当額の負担金を納めなければならないなどの制約があります。現在のところ,まだ実例が少なく,どの程度使えるのかがはっきりしません。

国庫帰属ではありませんが,最近は,民間の不動産業者が,不要な不動産を有料で引き取ってくれるサービスを始めたようです。普通は不動産を買ってもらうのですが,逆にお金を払って不動産を引き取ってもらうというサービスです。

農地を相続放棄

農地を売却するのも転用するのも国庫帰属制度で引き取ってもらうのも簡単ではないとすれば,そもそも相続しないという選択もあります。
それは「相続放棄」です。
相続放棄すれば農地の相続から逃れられます。しかし,相続放棄してしまうと,すべての財産が相続できなくなります。いらない農地だけ相続したくないので相続放棄を利用するというわけにはいきません。
したがって、いらない農地だけが相続財産であれば別ですが,農地の他に価値のある財産(自宅や預貯金など)がある場合には,相続放棄をしてしまうと尊をしてしまうことになるので,相続放棄という選択はできないでしょう。その場合には,先に述べた農地の売却,農地の転用,国庫帰属などを検討することになります。

なお,相続放棄できるのは原則的に「相続開始を知ってから3か月以内」です。

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