相続を放置して空き家問題に|行方不明相続人や相続財産管理人が必要なケース
- 2025.09.29
相談者情報
相談者
Aさん(仮名)
居住地
茨城県水戸市
背景
亡き祖母名義の空き家を相続したが、相続人が複雑で行方不明者や相続人不在のケースが絡み、司法書士では対応できず弁護士相談に至った。
相談者のモノローグ
「母が高齢になり、祖母名義の古い家をどう処分するか考えなければならなくなりました。誰も住まず老朽化し、壊したくても名義が宙ぶらりんで手続きが進みません。相続人は複雑に枝分かれし、多くはすでに亡くなっており、一部は行方不明。司法書士に相談したところ『弁護士でなければ対応できない案件』と言われました。誰も欲しがらない家なのに、管理や固定資産税の負担だけが重くのしかかっています。茨城県水戸市やひたちなか市、那珂市などでも同じように空き家の処分に悩む方は多いのではないでしょうか。」
相談者からの質問と弁護士の回答
質問1
「行方不明の相続人がいても、相続手続きは進められますか?」
弁護士の回答
「行方不明相続人がいる場合は、その人の代わりに『不在者財産管理人』を家庭裁判所に選任してもらう必要があります。通常は弁護士が就任し、遺産分割協議などに参加します。選任の際には裁判所に50万円前後の預納金を納めなければならず、費用負担は避けられません。これは水戸市や茨城町など、どの地域であっても同じです。」
質問2
「相続人がいない場合の財産はどうなるのですか?」
弁護士の回答
「相続人が存在しない場合、家庭裁判所に『相続財産管理人(清算人)』を選任してもらいます。管理人が財産を清算し、最終的には国庫に帰属させます。この手続きも裁判所に預納金を納め、弁護士が選任されるケースが多いため、やはり費用が発生します。特に空き家や土地が残っているケースでは、水戸以外に、ひたちなか市や東海村などでも同様のトラブルが増えています。」
質問3
「老朽化した家を壊してしまっても大丈夫でしょうか?」
弁護士の回答
「法律上は共有財産の処分には全員の同意が必要です。しかし相続人が行方不明で権利を主張する人がいない場合、実務上は解体してしまうケースもあります。ただしリスクがゼロではなく、後から損害賠償請求が起きる可能性は否定できません。さらに2024年から相続登記が義務化されており、登記を怠ると1件につき最大10万円の過料が科されるおそれがあります。水戸市や那珂市でも、こうした相続登記義務化に関する相談が急増しています。」
弁護士からのアドバイスの要点
行方不明相続人がいる場合は、不在者財産管理人を家庭裁判所に申し立てる。
相続人不在の場合は、相続財産管理人が選任され、清算のうえ国庫帰属。
各管理人の手続きには裁判所への預納金(50万円前後/件)が必要。
弁護士費用も加わり、複雑な事例では数百万円単位の負担になることも。
相続登記義務化により放置はリスクが増大。
弁護士所感
この事例は、「放置された相続が空き家問題へと発展した典型例」 です。
「誰も使わない家だから放っておけばいい」と思っていても、行方不明の相続人や相続人不在が絡むと、処理に多額の費用と時間がかかります。結果として、わずかな財産処分に600万円近い費用がかかることもあります。
教訓は、元気なうちに相続登記や名義整理を済ませておくこと。遺言や生前贈与などの対策を講じていれば、今回のように負担ばかりが大きくなる事態を避けられます。これは水戸市だけでなく、ひたちなか市・那珂市・東海村・茨城町など、茨城県全域の空き家問題に共通する課題です。
相続に関するお悩みは当事務所にご相談ください
相続を「そのうちに」と先延ばしにすると、空き家問題や多額の費用負担につながる恐れがあります。行方不明者や相続人不在が絡む案件は特に専門的知識が必要で、弁護士によるサポートが不可欠です。
みとみらい法律事務所では、水戸市・ひたちなか市・那珂市・東海村・茨城町など地域の皆さまから、相続や空き家問題に関する初回無料相談を承っております。
「名義が整理できない空き家をどう処分すればいいのか」「相続人が複雑で手続きが進まない」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。