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認知症と診断された方のために家族信託組成

2023.04.05
依頼者の属性

ひたちなか市にお住まい 80代 男性

相談背景

ご相談者は,奥さんでした。最近,夫の物忘れがひどくなってきた。痴呆症が進行している。放っておくと将来の夫の財産が凍結されてしまうとのことでした。以前に,認知症対策のための家族信託のセミナーを受講されていた方でした。成年後見制度を使うと,いろいろと制約があることをご存じで,家族信託を希望しておりました。

夫の所有している土地が,数年後に公共用地として買収されることになっていて,夫が認知症となった場合でも,その土地を処分できるようにしておきたいとのことでした。

ご家族は,ご本人と奥さん(70代),そして40代の息子さんでした。息子さんは海外赴任中。

争点

物忘れが激しいので,認知症による財産凍結を避けるために,できるだけ迅速に家族信託を進めて欲しいとのことでした。

弁護士の対応

信託する財産をどうするか,誰が受託者になるのか等について,2回ほど打ち合わせをしました。息子さんは海外赴任中なので,Zoomで打ち合わせに参加していただきました。

その結果,買収予定の土地,アパート,現金2000万円を信託財産とする。

受託者は,まず,奥さん,万一のために息子さんを第二受託者とすることにしました。

預金は,取引先の銀行に信託口口座を開設するのですが,そのために事前の打ち合わせが必要でした。その後に,公証人と打ち合わせをして,家族信託の契約書案を作成しました。

ご本人は,公証役場へ行くのが辛いというので,公証人に出張をお願いしました。

結果

無事に家族信託契約書を作成することができ,銀行にも信託口口座を開設することができました。また,不動産の信託登記も完了することができました。大変,喜んでいただけました。

弁護士所感

認知症対策としての家族信託は,もしものために役立つ仕組みです。認知症になってしまうと成年後見制度を使うしかありませんが,かなり制約があり,思っていたような老後をおくれないという不満もあります。ある程度の財産をお持ちの方には家族信託を検討していただきたいと思います。

水戸周辺では,家族信託を扱える専門家が少ないのが難点です。

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