土地を現物分割するにあたり異業種ネットワークを活用した事例
- 2022.11.17
相続財産
土地
被相続人との関係
こども
相談背景
ご依頼者は、笠間市の方でした。お祖父さんの土地の相続についての案件でした。
昭和の初め頃に、お祖父さんがお亡くなりになり、土地の名義がお祖父さんのままになっていたので、名義を変更したいとのご希望でした。遺産は、畑として使用している、かなり広い土地のみでした。
お祖父さんが亡くなってから時間が経過してしまっていたので相続人がかなりの数になるのではないかと心配していたのですが、幸いに、相続人は30名くらいでした。ご依頼者に、相続人の方との関係をお尋ねしたところ、おおよそ3つのグループに分けることができるとのことでした。
一つは、現在も親密な付き合いをしているグループ、もう一つは葬儀などのときにしか顔を合わせないグループ、そして、最後はまったく連絡もとらなくなってしまったグループです。ご依頼者のお話では、親密な付き合いをしているグループと葬儀などのときにしか顔を合わせないグループの相続人の方には、ご依頼者が、お祖父さんの土地を相続することで承諾をいただいているが、まったく連絡もとらなくなってしまったグループとは、全く話をすることができないため、遺産分割の交渉を依頼したいとのことでした。
弁護士の対応
そこで、私どもから、そのグループの相続人に対し、これまでの経過、依頼者様のご希望をお伝えする手紙を送りました。
そのグループの相続人からは、土地は要らないけれどもお金(代償金)で支払って欲しいとの連絡がありました。その金額はその土地の付近の相場価格からするとかなり高めでした。
ご依頼者に相談したところ、お金(代償金)が準備できないとのことでした。そこで、遺産分割の調停を申し立てることにしました。
調停では最初、代償金分割が可能かどうか検討されましたが、土地の面積が広く、評価額が高めになるため、やはり代償金を用立てることができないとなり、現物分割をすることになりました。
この土地は、面積が広いのと、土地の中に段差があること、そして道路との接続がいま一つのために、どのように分割するかが大きな課題でした。
ご依頼者としては、面積が減っても今後も畑として使い続けたいとのご希望があり、他方、他の相続人は、分割後は不動産屋さんに依頼して取得した土地を売却したいとのご希望がありました。
そこで、これらの条件を充たす分割案を作成するために、私どもが親しくしている不動産屋さん、不動産鑑定士さん、土地家屋調査士さんに相談をしながら、分割案の図面を作成しました。
結果
このおかげもあり、こちらが提案した分割案のとおりに調停がまとまりました。
現物分割をする場合には、他士業とのネットワークを活用することが必要ですが、それが功を奏した案件でした。