ご相談者の遺産分割協議をサポートして遺産分割を進めた事例
- 2022.09.18
相続財産
不動産、預貯金
被相続人との関係
子供3兄弟
相談背景
ご相談者は水戸市在住の方です。ご相談者のお母様が6か月前に亡くなり、その相続についてのご相談でした。
お父様は数年前に亡くなっており、相続人はご相談者を含め,子供たち3人兄弟でした。ご実家は宮城県です。ご家族の関係ですが、お母様は一人住まいをされており、実家のすぐ近くにお兄さんが、ちょっと離れたところに弟さんが住んでおられます。
ご相談者を含めて、お母様の財産形成に寄与をしたという相続人はいませんでした。お兄さんがお住まいになっている土地は、お父様からの生前贈与で取得した土地です。お父様は、生前、県に土地を売却し、1億円近くの売買代金を取得したことがあったとのことでした。
お母様の相続について、ご相談者は相続税の納付期限が気になり、早めに進めてもらえないかとお兄さんに連絡をしたところ、怒られてしまったとのことでした。お兄さんは相続税のことなど自分たちには関係がないと考えているとのことでした。
何度か連絡をしたところ、お兄さんから遺産分割についての提案がありました。それによると、お母様名義の不動産はすべてお兄さんが取得すること、預貯金については、3人で分割すること、預貯金の額が3000万円あるので、ご相談者様は1000万円の預貯金分を相続することでどうかとのことでした。
ご相談者様は、お父様が土地を売却した1億円近くの売買代金の残りがお母様のところにいっており、今もそれが残っているのではないか、もし、そうだとするとご自身の取得分が少ないのではないかと考えておられ、どうするか悩んでご相談にお見えになりました。
弁護士の対応
ご相談では、まず、お母様の財産を調査することと、その調査結果をもとに財産目録を作ってみたらどうかとお勧めしました。
具体的には、お母様が預貯金の口座を持っていたのではないかと思われる金融機関に、口座の有無と死亡時の残高、数年分の履歴を問い合わせてはどうかとお勧めし、その日の相談を終えました。
その後、ご相談者がご自身で金融機関に預貯金の有無残高等を問い合わせたところ、総額で6000万円ほどあることがわかりました。加えて、お母様名義の不動産の固定資産税の評価額も6000万円くらいすることがわかりました。
これらを合計すると、遺産の総額は1億2000万円となりました。
ご相談者の相続分は3分の1ですから約4000万円が相続できる金額となります。ご相談者と相談させていただいたところ、きっちり3分の1までを要求するつもりはなく、喧嘩もしたくない、可能であれば1000万円にある程度上乗せしてもらえればそれでよいとのことでした。
結果
このような場合に弁護士が介入すると、兄弟の仲が壊れてしまうことが多いことを考慮し、ご相談者に、可能であれば1000万円にある程度上乗せしてもらえないかと率直にお伝えしてみてはどうか、とお伝えしました。
その結果、ご相談者がお兄さんと協議して、1500万円で遺産分割協議がまとまりました。