知らない間に土地の名義が変更されていたのを遺留分減殺請求により代償金を獲得した事例
- 2022.01.14
相談背景
ひたちなか市にお住まいの方からのご相談がありました。ご家族関係ですが、被相続人は依頼者様の方のお母様ですが、1年前に死亡されたとのことです。相続人は、依頼者様と妹さんのお二人です。妹さんは、お母様と同居されておりました。妹さんは独身です。相続財産は、お母様名義の土地と建物と預貯金と株式でした。評価額は約4000万円です。
依頼者様の方のお話しによると、車で1時間もかからない距離に住んでいたので、たまにご実家に行き、お母様とお話しをすることがあったとのことで、特別、お母様との仲が悪かったとか、嫌われていたようなことはなかったようです。妹さんとの依頼者様の関係も、ごく普通の関係であったようです。しかし、お母様が介護を受けるようになってからは、同居されている妹さんの世話になることが多く、お母様は妹さんに頼るようになっていったとのことでした。そして、お母様が亡くなり、葬儀は妹さんが喪主として執り行いました。その後は、法事などで顔を合わせることがあったのですが、相続をどうするかについての話は特にしませんでした。お母様が亡くなってから間もなく一年になるので、さすがにそろそろ相続の話をしないといけないと思い、妹さんに連絡を入れたのですが、妹さんからは何の連絡もありません。1年以上が経過したので、依頼者様は、なんだかおかしいと思い,念のために登記所へ行き、お母様の土地の登記簿謄本を取得してみたのですが、お母様から妹さんに,相続を原因として名義変更されていました。お母様の財産のほとんどは不動産で,他の物件もすべて妹さん名義に変更されていました。
弁護士の対応
ご相談を受けて、お母様から妹さんへの不動産の名義の変更は遺言書に基づいていると考えました。おそらくお母様が遺言を作成しており、その遺言書に、すべての財産を妹さんに相続させるとの記載があり、それに基づいて登記をしたのだと考えました。これは依頼者様の方の遺留分(最低限保証されている取り分)を侵害しています。このような場合には、遺留分(最低限保証されている取り分)を取り戻すことができることになっています。ただし、遺留分減殺請求権(最低限の取り分を取り戻す請求)には、それを知ったときから1年間という時間の制限があります。遺留分(最低限保証されている取り分)を侵害されたと知ったらすぐに、内容証明郵便で、妹さんに遺留分が侵害されたこと、減殺請求(最低限の取り分を取り戻す請求)することをアドバイスし、遺留分減殺請求権(最低限の取り分を取り戻す請求)のご依頼を受けました。その後、ただちに内容証明郵便を発送し、遺留分減殺請求の調停を申し立てました。
結果
結果として、調停で1000万円の代償金を獲得することができました。
依頼者様は、大変、喜んでおられました。遺言などがあった場合に、ご自身の遺留分(最低限保証されている取り分)が侵害されてしまうことがあります。そのような場合は、すぐに弁護士に相談依頼することをお勧めします。